はまあやブログ 

30代女の七転八起の記録。

【おすすめ小説】働く意味とは何?/わたし、定時で帰ります。

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本が大好きはまあやです。

 

今回は、ふらっと入った本屋さんに平積みしてあった本を手に取りました。タイトル買いです!あらすじもほとんど読まず買っちゃたのですが、アラサー世代ドンピシャでした。

 

働きたい人も、会社を辞めたい人も、産休や育休で悩んでいる人も、すべての働く人が、『仕事』『会社とは何か?』を見つめ直すきっかけになる1冊です。

 

 

 

<あらすじ>

主人公は私と同じ32歳の会社員の女性。仕事よりもプライベートを優先し、入社以降、必ず定時で帰ると決めている。それにもきちんとした理由が存在し、物語が進むにつれて明らかになっていく。

 

その主人公の前に、仕事中毒の元婚約者、高熱がでても休まない同僚、すぐに会社を辞めると言い出す新人、育休を取らない双子の子供をもつ先輩、様々なキャラクターが次々と立ちはだかる。それぞれ働くスタンスが違う集まりの会社で、「定時に必ず帰る」という自分の思いを貫き通せるのか?

 

そんな中、部下を潰すと噂のブラック上司が現れ、仕事環境が急展開していく・・・。

 

 

 

 

 <感想>

やられました!

 

定時で帰りたい、アフター5は合コン、のほほんOLの話だと思っていました。

 

私の想像を遥かに超えて、働くこと、会社とは何か、人の孤独、弱さ、人生とは何か?を深く深く問いかける作品でした。

 

 

かといって、難しい言葉は全く登場せず、会話メインで話が進むのでとても読みやすい。フィクションですが、ブラック企業や過労死といった現代の社会問題に踏み込んでいます。

 

 

死が絡むテーマでありながら、作者のポップな表現力で緩和され、読んだあとも心が沈むことがなく、絶妙なバランスです。

 

 

私が調べたところによると、2017年度の過労死・過労自殺(未遂含む)は計190人に及びます。(2018.7.6.朝日新聞デジタルより)公式に認定された数字なので、本当はもっと多くの方が過労により死亡している可能性があります。
  

 

布団で睡眠を取り、食事をし、その上で仕事が好きで働いている人は問題ない。私も働くことは好きだし、誰かの役に立っているという充実感は仕事でこそ得られると思っています。

 

 

問題なのは3つのどれかに当てはまる仕事人間。

・仕事量が多過ぎて働かざるを得ない状態の人

・残業をすることで仕事をしている気分になり悪循環の人

・仕事以外なにをしていいか分からなくなっている人

 

この小説の舞台もそうですが、インターネットが主流の社会なので、プログラミング、SE関係の職業が働かざるを得ない状況にあると思います。友人にSEの人がいますが、仕事が終わるのは平均23時、締め切り前だともっと残業することもあるそうです。 1日がほぼ仕事で消えていく。

 

 

働くということは、本来は生活をするためにするもの。衣食住や趣味にはお金が必要だから働いて稼ぐ訳です。人間としての生活が成り立っていなければ本末転倒状態。

 

しかし長年、その状態を続けていると、それが当たり前になって、もはや生活になってしまう。気付いたときにはもう手遅れで、引き返せないところまできてしまう。

 

 

高熱が出ても休まない同僚の言葉を紹介します。

「仕事ってのはねえっ、死ぬ気でやらなきゃいけないんですよっ。もっとねえっ、無理をして頑張らないといけないんですよっ」(本文より引用)

 

そんな発言をする彼女がなぜそこまで頑張るのか、その答えがこれです。

「私たち氷河期世代はね、何十社、何百社と応募して、内定をもらってもいつ取り消されるかとひやひやして、就職したらしたで、同期もいなくて、不安だねって言いあえる仲間さえもいなくて、解雇されたらどうしようって思うと休むのが怖くて」(本文より引用)

 

なるほど。自分が無力だと思っているから、与えられた仕事以上に頑張ろうとしてしまう。誰かに認めてもらいたい。劣等感からくる承認欲求。

 

 

別のシーンで、彼女は主人公の真似をして定時で帰ってみたことがある。その時に、ハッとさせられる発言をする。

 

「(省略)ためしに昨日は残業しないて帰ってみたんですけど、空いた時間することがないんですよね、何も」(本文より引用)

 

まさに本末転倒の状態。

 

 

しかし、それは私も経験したことがあるので、彼女の言葉が胸に刺さりました。

 

 

彼女も32歳。周りがどんどん結婚していき、気軽に食事に行ける友達はどんどんいなくなっていく。

 

趣味も人と関わることでなければ、外に出るきっかけも生まれない。家にひとりでいても、どんどん劣等感に襲われるだけ。

 

それなら必死に仕事をして、会社の力になれれば、気持ちが満たされる。自分の存在意義を確かめられる。

 

 

では、そういう人から仕事がなくなったらどうなるでしょうか?

 

 

きっと、生きる気力を失くし、いわゆる、燃え尽き症候群になってしまう。仕事に人生を捧げてきた人が定年退職後、無気力になってしまうのは、仕事以外に生きる目的を見いだせなかったからだと思うのです。

 

 

 

そんな人生、生きていると言えますか?

 

 

 

働くということは素晴らしいことです。しかし、会社のために働くのではなく、自分のために会社があるということ。自分に合わないと思ったら、逃げ出す覚悟を常に持っているべきだと思います。

 

 

たとえ、挫折したとしても、それはよりよい環境が他にあるからだとポジティブに捉える強さを悩める社会人に伝えたい。

 

この小説は「人生において働くとは何か?」の問いに真剣に向き合います。

 

全ての社会人に読んで欲しい。働くことの価値観を変える1冊です。